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変形性膝関節症アーカイブ

変形性膝関節症について

変形性膝関節症ってどんな病気?

膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて、痛みなどが起こる病気です。正常の膝関節では関節の表面は軟骨で覆われています。弾力性に富んだ組織からなる軟骨は、衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりしています。
また、滑膜から分泌される関節液は軟骨の成分の1つであるヒアルロン酸を含んだ粘りのある液体で、膝関節がスムーズに動く潤滑油と軟骨の栄養の役割を果たしています。初期の変形性膝関節症では、軽度の関節軟骨の磨耗が生じますが自覚的な症状はほとんどありません。軟骨の磨耗がある程度すすむと(中期)、膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時の膝にかかる負担の増加および軟骨、半月板の変性による刺激により関節炎が生じます。関節炎では、膝を曲げ伸ばししたときの痛み(動作時痛)や曲げ伸ばしの制限(可動域制限:かどういきせいげん)が生じます。また、関節液が多量に分泌されて関節に「みず」がたまること(関節水腫:かんせつすいしゅ)もありますが、関節内のヒアルロン酸は逆に減少します。進行期の変形性膝関節症では、軟骨の磨耗がさらに進み関節の土台の骨(軟骨下骨:なんこつかこつ)が露出したり骨棘(こつきょく)といった骨そのものの変形が生じたりします。この状態では、膝を動かしたり立って歩いたりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じ、曲げ伸ばしの制限も高度となり日常生活において大きな障害となります。

変形性膝関節症の治療方法

変形性膝関節症の治療方法には、大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。保存療法にはリハビリテーション、装具療法、物理療法、薬物療法があり、これらを組み合わせて行われます。手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、この数は決して多くはありません。変形性膝関節症は、加齢による関節の変化が主因なので、関節の機能を維持しようとする患者さん自身の気持ちとがんばりがとても大切です。

変形性膝関節症の治療方法(保存療法)

リハビリテーション

変形性膝関節症に対するリハビリテーションの目的はひざの曲げ伸ばしの回復(可動域訓練)とひざを支える筋力の回復(筋力訓練)です。関節の2大機能である可動性と支持性を回復させるリハビリテーションは変形性膝関節症の治療のみならず予防法としても大変重要であり、多くの人に積極的に行っていただきたい内容です。

可動域訓練

可動域訓練は、変形性膝関節症によって関節の動きが悪くなったり、動く範囲が狭くなったりした場合に、その動きの改善や動きの範囲を広くするために行われます。
ひざの曲げ伸ばしの訓練は、まずひざを温めてから行うと痛みも少なく関節や筋肉も柔軟になっているのでより効果的です。蒸しタオルを10分程度ひざに当てたり、入浴時に浴槽のなかで訓練したりするのが良いでしょう。

筋力訓練

変形性膝関節症では、太ももやひざの周りの筋肉を鍛えてひざ関節を支える力を強くすることが大切です。仰向けに寝た状態や椅子にすわった状態で片方の脚を伸ばし(寝た状態では30~45度位に挙上)、そのまま10秒ほど支える方法はひざ関節を支える筋肉として1番重要な大腿四頭筋の力を鍛える簡単な方法としてお勧めです。また、水中歩行などプールでの運動は浮力のためにひざへの負担が少なく筋力をつけるのに大変有利です。

変形性膝関節症の治療方法(手術療法)

変形性膝関節症の手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、この数は決して多くはありません。変形性膝関節症は、加齢による関節の変化が主因なので、関節の機能を維持しようとする患者さん自身の気持ちとがんばりがとても大切です。


手術の種類 具体的な手術内容
関節鏡視下手術 ひざの中にカメラ(内視鏡)を入れて行う手術です。

関節内を観察しながら、変成した半月板や軟骨、増生した滑膜や骨棘の処理を行います。
創(キズ)も小さく、手術後数日で歩行が可能で、早期に社会復帰ができます。
ただし、効果の持続性が短い場合もあります。
高位脛骨骨切り術 脛骨のかたちをかえて、O脚を矯正し、ひざの内側にかかる負担を軽減する手術です。

矯正した骨の部分がくっつくまで2~3ヶ月を必要としますが、重労働やスポーツを含めて活動できるまで回復します。
ひざの変形が中等度で内側にとどまっており、40~60才代の方で比較的日常活動性の高い方が治療の対象となります。
人工関節置換術 変形した関節の表面を金属などでできた人工の部品で置き換える手術です。

ひざ全体が大きく変形し、痛みが強く立ち座りや歩行など日常生活に支障をきたす場合に行われます。
痛みを取り除く効果は高く、日常生活に支障をきたすことはなくなりますが、正座などの深い曲げ伸ばしや運動などの無理は制限されます。
 人工関節置換術には、関節の表面全体を置き換える全置換術と部分的に置き換える単顆置換術(たんかちかんじゅつ)の2つがあり、関節の変形の程度などによって選択されます。